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「死ぬかもしれない」と感じた日──パニック障害になった私が伝えたい“前兆”と“最善の対処法”

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【体験談】発症から休職までの記録と、そこから得た学び

あの日、私を襲ったのは“息ができない”という恐怖だった

あの日、帰宅途中の電車の中で、突然、息が苦しくなりました。手足が痺れ、心臓がバクバクと音を立てて暴れ、目の前がグラグラ揺れて、どうやって呼吸をすればいいかもわからなくなりました。

「このまま死ぬんじゃないか──」
本気でそう思いました。

それが、私とパニック障害との出会いでした。

当時の私は32歳。最初は何が起こったのか分からず、まさかこれが心の病だなんて思いもしませんでした。ですが、そこから私の人生は大きく変わっていきました。


過酷な働き方と、“頑張る自分”がつくった心の限界

私は24歳で東京にあるIT企業に就職し、システムエンジニアとして働き始めました。最先端の技術に触れる日々は刺激的で、やりがいも感じていました。

ただ、その裏では、月に100時間を超える残業や、3日間一睡もせず働くような無理が続いていました。「若いから大丈夫」「やりがいがあるから頑張れる」そう言い聞かせて、がむしゃらに働いていました。

30歳で地元に戻っても、同じ仕事を続けていました。業務にも慣れ、東京時代に比べれば多少は楽になったはずなのに──私の心と体は、すでに限界に達していたのだと思います。


パニック障害の前兆──「おかしいな」と思っていた違和感たち

思い返すと、体は少しずつ悲鳴を上げていました。例えば:

  • 小さな音にも過敏に反応し、心臓がドキッと跳ねることが増えた
  • 背中が急に痛くなり、歩けなくなるほどの違和感があった
  • 咳が止まらず、喘息かと思いタバコをやめた
  • 寝ても疲れが取れず、気力だけで動いていた

当時は「忙しいだけ」「気管支炎かな」とやり過ごしていましたが、今思えば、これらはすべてパニック障害の前兆だったのだと思います。

前兆は人それぞれ違いますが、「いつもと違う自分」に気づくことが、何よりも大切です。


発作から診断、そして“無理を続けた代償”

電車内での発作をきっかけに、病院を受診しました。
当時はまだ「パニック障害」という言葉が広く知られていなかったこともあり、医師からは「パニック障害っぽいね」と言われ、不安を抑える薬を処方されました。

そしてこう言われました。
「通勤を続けていけば、そのうち慣れるよ。」

私はそれを信じて、無理をして出社を続けました。しかし、症状は悪化する一方でした。電車に乗ること自体が怖くなり、駅に向かうだけで息苦しさや動悸が始まりました。

そして5年後──ついに限界が来て、休職せざるを得なくなりました。
病院を変えたりもしましたが、「もう遅かった」と今では思います。


パニック障害を防ぐには──“立ち止まる勇気”が何より大切

パニック障害を経験して、私が最も伝えたいのはこれです。

「少しでもおかしい」と思ったら、迷わず休んでください。

仕事や周囲の目を気にして、「まだ大丈夫」と自分を押し込めてしまう気持ちはよくわかります。でも、そうして我慢し続けることが、後の大きな悪化につながるのです。

特に会社勤めの方へ。
どうか覚えておいてください。

あなたがいなくても、仕事は回ります。
でも、あなたが壊れてしまったら、戻るのに何年もかかるかもしれません。


パニック障害と診断されたら、“距離を取る”ことが最善の対処法

もし医師から「パニック障害」と診断されたら、あるいはその疑いがあると感じたら、できるだけ早く「恐怖を感じる環境」から距離を取ってください。

私の場合、それが電車や通勤でした。
しかし、「慣れれば治る」と思い込んでしまい、結果として5年間も苦しむことになりました。

早い段階で環境を変え、心と体をしっかり休ませること──
それが、最も早い回復への近道だと、私は今、心から思います。


今も続く“名残り”と、それでも生きていける日常

現在、パニック発作が起きることはほとんどなくなりました。けれど、たまに電車に乗ると、当時のことを思い出すことがありますし、軽いうつのような気分になることも、まだあります。

でも、それでもいいんです。
私はそれを「完治」とは思っていません。これは「付き合いながら生きていくもの」だと、今では前向きに捉えています。


あなたへ──“自分を守る”という選択をしてほしい

最後に、この記事を読んでくださっているあなたへ。
どうか、自分自身の感覚を信じてください。

パニック障害は、決して「心が弱い人」がなる病気ではありません。
むしろ、真面目で責任感が強く、頑張りすぎる人ほど、なりやすい病気です。

そして、あなたが休んでも、誰も責めたりしません。
あなたの命や心を守れるのは、あなただけです。

「いつもと違うな」
「なんか変だな」

そう感じたら、それはきっと体や心が発している大事なサインです。
どうか、その声に耳を傾けてあげてください。

あなたが、あなたらしく生きられるように──。
この体験談が、少しでも誰かの助けになれば幸いです。

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