毎年12月に入ると、ニュースやSNSで少しずつ話題に上る恒例行事があります。それが京都・清水寺で行われる「今年の漢字」の発表です。発表は例年通り 12月12日 に行われ、清水寺の貫主・森清範さんが大きな筆で今年を象徴する一字を揮毫します。この風景は、冬の訪れを感じさせる日本の風物詩になっています。
主催は日本漢字能力検定協会で、全国から寄せられた応募の中から最多得票を得た漢字が選ばれます。過去には、災害の年に「災」、金メダルが注目された五輪の年は「金」、震災の年には「震」など、その年の世相が非常に分かりやすく反映されてきました。
では、今年はどの漢字が選ばれるのでしょうか。もちろん結果が出るまでは分かりませんが、ニュースの傾向、社会の空気感、生活者の実感を踏まえることで“今年らしさ”を象徴する候補は見えてきます。ここでは、本命3字と対抗3字、さらに今年特有の注目ワードとして「米(こめ)」を含めた予想を紹介します。
■ 本命①「暑」
今年の夏は異常なほどの猛暑でした。各地で観測史上最高気温を更新し、熱中症搬送が相次ぎ、日常生活が脅かされました。「異常気象」「危険な暑さ」という言葉がニュースに何度も登場し、多くの人が「今年は本当に暑かった」と実感した年だったと思います。
過去にも猛暑が社会問題になった年は「暑」が選ばれています。今年の暑さは広範囲かつ長期、さらに健康被害も深刻だったことから、本命として非常に有力な漢字です。
■ 本命②「値」
物価高騰が止まらない一年でもありました。食品、外食、日用品、電気代、ガソリンなど、多くの分野で値上がりが続きました。「値上げラッシュ」「物価高騰」といった言葉が日常的にメディアに登場し、家計を圧迫しました。
生活に直結するテーマは投票で強く、「値」は人々の思いが集まりやすい漢字です。昨年から続く物価高の影響が特に顕著だったことを踏まえると、今年の本命として十分候補に入り得ます。
■ 本命③「高」
「値」と並んで注目されるのが「高」です。物価高、賃金の上昇、株価の過去最高値更新、円安水準の高さなど、今年のニュースを振り返ると「高」という字が象徴する出来事が実に多いことに気付かされます。
また、「高」という字は抽象的でありながら、社会全体の動きを広く表現できる点も強みです。身近な買い物から世界経済まで、さまざまなレベルで「高」に関連するニュースがあったため、本命の一角として十分に存在感があります。
■ 対抗①「熊」
今年は熊の出没が全国的な問題になりました。人里への出没、農作物被害、人身事故など、地域社会に深刻な影響を与えています。報道でも熊に関するニュースが連日流れ、対策を迫られる自治体が続出しました。
過去には、動物を象徴する漢字として「虎」が阪神優勝で選ばれた例もあります。「熊」はまだ選ばれたことがありませんが、社会問題としての注目度の高さから、対抗として有力な候補です。
■ 対抗②「災」
各地で災害が発生した年には「災」が選ばれやすく、過去にも複数回選出されています。今年も大雨や地震による被害が続き、自然災害に対する不安が高まった年でした。
「災」はネガティブな印象を持つ漢字ではありますが、世相を反映するという点では非常に象徴的です。特に年末に大きな災害が起きた場合、票が一気に集まる可能性があります。
■ 対抗③「米(こめ)」
今年は「お米」に関する話題が全国的に注目されました。異常気象による高温障害が発生し、米の収穫量や品質が大きく影響を受けた地域が続出しました。とくに「一等米の比率が大幅に低下した」というニュースは多くの地域で報じられました。
さらに新米の価格上昇や品不足、ブランド米の値上がりなど、生活に直結する問題もありました。「米」は日本の主食であり、農業の基盤であり、食糧安全保障を象徴する字です。今年の“食の不安”を象徴する漢字として、対抗に入れても不自然ではありません。
「米」という字は、日常生活の中で強い存在感を持つテーマであり、今年の特有の出来事に深く結びついた字と言えます。
■ 今年の世相を最も象徴するのはどの字か
振り返ると今年は、いくつもの大きなテーマが同時に存在した一年でした。
- 異常な猛暑
- 続く物価高
- 熊の出没問題
- 自然災害への不安
- 米の不作や価格上昇
これらのテーマを象徴的に表す漢字として、本命の「暑」「値」「高」は特に強いインパクトがあります。しかし「熊」や「災」に加え、今年は「米」も生活者の中で強く印象に残ったテーマであり、穴候補として十分な存在感があります。
■ 発表は12月12日。どの一字が選ばれるのか注目です
今年の漢字は例年通り 12月12日 に京都・清水寺で発表されます。森清範貫主が巨大な筆で揮毫する瞬間は、日本中が注目する光景です。
本命が来るのか、対抗が逆転するのか、それともまったく予想外の漢字が飛び出すのか。今年を象徴する一字が何になるのか、当日の発表が非常に楽しみです。


